今回は、エシカル・サファイアが宝石になる瞬間。
スリランカの研磨工房の様子について、
ご紹介いたします。
こちらは、前回ご紹介した、採掘場オーナーの娘さんとお孫さん。
彼らに別れを告げた後、
採掘場を後にし、ベールワラへと目指します。
研磨工房
〜美しい原石が宝石になる瞬間〜
採掘された原石は、
ラトナプラの採掘場から2時間ほど離れた
ベールワラという街にある工房へ運びます。
ベールワラには、ほんの数十メートル
しかない宝石の街(取引所)があります。
↓こちらがベールワラの街。
週末になるとスリランカ中の宝石が集まり、
大きな取り引きが行なわれていることでも
有名な場所です。
あの迫力には圧倒されます。
私が訪れた日は、いつもの人数の半数ほど
しかいませんでした。
この日は香港でジュエリーショーがあり、
多くのバイヤーが香港に行っており不在でした。
話しは戻り、
まずここの工房では原石を大まかに
カット(ラフカット)します。
ベテランの研磨職人ウネイスさんは、
原石にペンライトを当てながら
内包物の位置をチェック。
↓こちらが、ウネイスさんの研磨工房。
原石にライトを当て、
内包物などの位置を確認しながら、
どのようにラフカットするか、
また、熱処理をすべきかを話し合っています。
研磨をする面を決めたら、
少しずつ表面を整えていきます。
↓
いかにct(カラッと=重さ)数を残して
原石を綺麗に整えるか…
ベテランの腕の見せ所です。
やっと、ここぞという場所を見つけ、
少しずつ表面を整えていきます。
↓ラフカットを終えたブルーサファイアがこちら。
ラフカットを終えると、
今度はポリッシュ(磨き)です。
場所を移動し、
若手の研磨職人アブラールさんの工房へ。
技術の高さと、スピードが
自慢のアブラールさんの貴重な作業風景です。
↓
彼はコロンボで研磨の仕事をし、
スリランカの伝統的な研磨技術を
習得した後、独立しました。
現在は、ベールワラにある自宅の一画を
工房として使用し、6歳下のナフラーンくんを
雇って一緒に働いています。
↓こちらがナフラーンくん。
とても優しい面差しの男の子です。
つづいて、棒の先端に付いているロウを
アルコールランプで溶かし、
ラフカットした宝石を留めます。
↓
これで研磨の準備が整いました。
回転する研磨剤のついた円盤に
宝石を当てて、
一面一面作り上げていきます。
↓
ナフラーンくんが、
パビリオン側(宝石の下半分)を研磨し終えた
ブルーサファイアを見せてくれました。
あとはクラウン側(宝石の上部の面)を研磨して終了です。
とても美しいです。
工房は、いつも和気あいあいとした
穏やかな雰囲気の中、
研磨作業が行なわれています。
彼らはとても若いのですが、
腕はピカイチ。
彼らには、相場の2倍の研磨工賃を
支払っています。
良質な原石を研磨する場合は、
宝石になると高額取引されるため、
ボーナスとして通常の研磨代の4倍を
支払うこともあります。
彼らは仕事に見合った報酬を
受け取ることで、
やりがいも生まれますし、
若手の育成にもつながります。
結果、彼は立派な自宅を持ち、
工房を構えるまでに至りました。
最近は、噂を聞きつけた宝石商が
彼らに研磨を依頼してくるケースが
多くなり、多忙な毎日を送っています。
アブラールさんは去年結婚をして、
現在2ヶ月の可愛い女の子がいます。
工房から近いお部屋に赤ちゃんと
奥様がいらっしゃり、
活気と愛に溢れた素敵な空間の中で、
日々研磨をしています。
研磨をしている時の彼らの真剣なまなざしは、
ベテランも顔負けです。
この日も例に漏れず車酔い。
ベールワラに着くや寝込んでしまい、
夕方頃に彼らの工房へ行きました。
フラッフラの私を奥様が気遣ってくださり、
美味しいジンジャーティーを入れてくださいました。
少しピリッとしながらも、
ほのかに甘くて優しい紅茶の香りに癒されました。
次回は、いよいよ、シリーズ最終回となります。
「美しいエシカル・ブルーサファイアに出逢うまでの旅」
最後までお付き合いいたけますと幸甚です。
今回ご紹介した、弊社代表兼チーフジュエリーデザイナー小幡によるエシカル・コラムは、ジュエリー雑誌【Jewelit No.10】にて詳しくご紹介しております。
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