こんにちは。EARTHRISE代表兼ジュエリーデザイナーの小幡星子です。
Instagramには時折意見を混ぜて発信をしておりますが、ブログに個人的な意見を書く事が久しぶりな上に、本日は写真もなく、真面目なお話です。しかも、上手くまとめられず長文となりましたが、よろしければ最後までお付き合いください。^^
タイトルにある内容、
「なぜ今エシカルジュエリーを買う必要があるのだろう?」
エシカルジュエリーは、生産者側に正当な対価を支払ったり、自然環境にも配慮していたりするため、一般的なジュエリーよりも原価が高く、結果として販売価格も高くなります。
昨今、新型コロナウイルス、ロシア・ウクライナの戦争、異常気象などの影響もあり、世界中でインフレが起き、賃金は上がらないのに身の回りのものだけが値上がりしていますね。日本国内では老後の2,000万円問題もあり、将来が不安になるようなニュースばかりが飛び込んできて、消費にブレーキがかかっています。
一方では、新型コロナウイルスが5類に引き下げられた事で、飲食業界や航空業界、観光業界での消費が増えて、街も観光地も活気が戻ってきています。これは素晴らしいですね。
では、ジュエリー業界をはじめとする小売業界はどうかというと、消費は冷え込んだままです。人の流れが出てきたため、アパレル業界は景気が良くなっているようですね。
そして、消費が冷え込むコロナ禍で、SDGs関係が一気に広がりを見せました。
各国の投資家が投資先を決める基準の一つにSDGsへの取り組みがあります。そのため、企業は投資をしてもらうためにSDGsに力を入れるようになりました。
同時に、商品を売るために、マーケティングの一種としてSDGsを謳う企業も増えました。ただ、残念なことに、一見SDGsの取り組みのようでいて、実際は今までの表現をSDGsっぽく見えるようにしただけという、グリーンウォッシュが昨今問題になっています。現に、2023年の国連の議題として「グリーンウォッシュ」が取り上げられています。イギリスでは、問題解決のための法律ができたほどです。
私たち消費者は、企業が発信する情報をそのまま信じる傾向にあり、それ以上の情報が出てこない限りは、信じるしかない部分もあります。本当にサスティナブルなのか、ただ単に商品を売るためだけのまやかしなのかを見極めることは難しいくなっています。
少なくとも、国連でグリーンウォッシュが問題になっているということは、余程のことです。
ここ数年の、このような世界の動きにモヤモヤとしたものがありました。
そこで、一旦、ネガティブな情報をすべてオフにして、自分自身の心の声に耳を傾けてみました。このブログを読んでくださっている方も、ぜひ一度あなたの心の声を聞いてみてください。
そもそも、エシカルやサスティナブル、フェアトレード、エコ、オーガニックなどに興味を持ったきっかけは何でしたか?
例えば、オーガニック食材。
きっかけは、あなたが体調を崩して食生活を見直したことであったり、美容に関してのことかもしれません。もしくは、家族がアレルギー体質で、食事を見直したことかもしれません。いずれにしても、あなたご自身のこと、周囲の人のことであったかと思います。
何かしら身近に感じるマイナスなことがあったから、オーガニック食材に興味を持ち、生活に取り入れてみようと思ったのではありませんか?
そこから、どういう人が作っているのか、どういう環境で生産されているのか、農薬は?、自然環境にも良いのか・・・段々と知識が深まり、物事を深く、広く考えたり、調べるようになっていきませんでしたか?
フェアトレードやエシカルに興味を持ったことがある方であれば、
きっかけとしては、学校で紛争や途上国の状況を学んだり、海外旅行をした先で物乞いの子供たちと出会ったり、何かしら社会の歪みに触れる機会があったことで、あなたと途上国の人々の置かれている境遇の違い、搾取といったことに心を痛めた経験があった。
その経験から、少しでも他者に寄り添い、日常の生活の中でフェアトレードやエシカルな商品を購入したり、NGOやNPO、青年海外協力隊(JICA)などでボランティアをしたり、微力ながらも、より良い社会のために貢献できたら・・・。そのような想いではありませんでしたか?
もちろん、途上国に限らず、日本国内でも様々な社会問題があります。そういった問題に触れた事で、エシカルに興味を持った方もいると思います。
かく言う私も、子供の頃に経験したことが、EARTHRISEを起業するきっかけであったり、自身の人生観にも大きく関わっています。
私の場合は、5歳の時に世界情勢を少し学んだことです。当時は子供でしたので、もちろん難しいことは分かりませんでした。
ニュースで「汚職事件が・・・」と流れていても、5歳児には「お食事券」でなぜ大人が逮捕されるのかと摩訶不思議に思っていたレベルです。(意外とこういう勘違い、子供の頃は多いですよね? 笑)
ただ、自分と同じくらいの子供たちが、貧しいがゆえに、満足にご飯も食べられずに栄養失調になっていることや、飲み水を確保するために何十キロも先の井戸まで1日何往復もしなければならないこと、そのために学校にも通えないこと。もちろん、そのお水が衛生的であるかは別問題です。そして、病気の治療も受けられずに10歳にも満たずに死んでいく。
この世界には、こういう現実があるのだと母から教えてもらった時、子供ながらに悲しくなったことを覚えています。「なぜ?」という疑問と共に。
それから20歳になるまでは、少しでも途上国の人々の役に立てたらと想い、毎年もらうお年玉の半分を寄付してきました。
その他にも、人生のターニングポイントとなった出来事はいくつもありますが、ここでは割愛します。
オーガニック食材についても同様に、子供の頃の影響が大きいです。
私には弟がいます。真ん中の弟は、生まれた時から重度のアトピー性皮膚炎と重度の小児喘息で、医師からは1歳まで生きられないかもしれないと言われていました。目は目脂でいっぱいになってしまうので、毎朝蒸しタオルを当てないと目を開けられなかったり、毎月のように深夜に救急車で運ばれていく弟。そして、何週間も帰ってこない弟。たくさんのチューブに繋がれ、息をするのもままならない。
母は必死に医学書を読んで病気について勉強し、食事についても出来るだけ無農薬の野菜を選んだり、食品のパッケージ裏にある食品表示ラベルを必ずチェックし、化学調味料が入っていない、着色料がついていない食材を選んだりしていました。
お砂糖に関しても、我が家には白砂糖は一度も置かれたことはありませんでした。いつも茶色いお砂糖で、友人の家にある白砂糖が羨ましく感じていたほどです。
お菓子やジュースも健康的なものしか置いていなくて、コーラやポテトチップスなどのお菓子は、友人のお誕生日会などでしか飲食したことがありませんでした。
たまにお小遣いを握りしめて駄菓子屋さんに行き、駄菓子を食べていましたけれど…。
今では母の徹底した行いに感謝の念しかありません。しっかり私も受け継いでいます。
ちなみに1歳まで生きられないと言われていた弟は、その後スクスクと育ち、兄弟の中で誰よりも能天気に元気に生きています。赤ん坊の頃の辛かった経験は何一つ覚えていないという、幸せ(お調子)者です。おまけに健康体です。
私の両親は東京都23区内で育ったため、大量の排気ガス、光化学スモッグに晒されていました。そして、添加物まみれの食材がたくさん流通していた時代でもありました。その影響もあり、私も子供の頃から食品や環境問題について自然と考えさせられていました。
長くなりましたが、きっかけは何であれ、この世界で起きている問題に疑問を持ち、微力ながらも社会を変えたい、よりヘルシーな生き方をしたい・・・そういう方がオーガニック食材であったり、フェアトレード、エシカル、昨今ではSDGsに絡み、サスティナブルな商品を選んでいるのではないでしょうか。
EARTHRISEはジュエリーという切り口で起業しているため、エシカルジュエリーを2011年から制作してきています。
実際に起業・経営する側に立ち、人権や環境問題といった、社会問題の解決に取り組んでいると、想像以上にお金がかかります。裏を返せば、「想像の範囲内」と「想像以上」のお金が、本来もらえるはずであった人々や地球に還元されていなかったということです。
少し極端な例かもしれませんが、あなたは以下のAとBの商品、どちらを購入したいですか?
A.
生産者を搾取していて、自然環境にも悪く、さらにコストをかけないで耐久性も安全性もそこそこの安い商品。
すぐゴミになる?サスティナブル?未来?今さえ良ければ、自分さえ良ければそれでOK。
B.
生産者に正当な対価を支払い、自然環境にも良い、サスティナブルだけれど、高い商品。
もちろん、経済状況にもよると思います。
私の理想はBを100%です。とはいえ、生活必需品に関して言えば、私も所得の中から可能な範囲でセレクトしています。
ただ、やはり欲しいと思う商品があれば、他でエシカルな商品はないか、どのような作り手なのか、どのような素材なのか、人にも自然にも配慮しているのか、商品の背景を可能な限り調べます。
そして、最終的に妥協はせず、きちんとお金を払うことにしています。
それが、一個人の社会に対する責任にもつながるからです。
何年も前からお伝えしていることですが、お買い物は選挙と同じです。どこにお金を投ずるのか、投じたら確実に未来が変わるからです。
日々忙しく暮らしていると、日常のちょっとした消費のためにアレコレ調べる時間も気力もない時もあります。そういう時は、ご自身が出来る範囲で、余裕がある時だけでも良いと思います。これだけ情報過多の世界の中で生きていると、情報に触れることですら拒絶反応が出てしまう時もあります。
今はなんちゃってSDGsやグリーンウォッシュ製品がちまたに溢れ、国連で議題に上るほどの問題になっています。
が、今は時代の過渡期。そのうち偽物は淘汰されていくと信じています。
ただ、
「世の中、本物はなかなな売れない。それらしい事をそれらしく言っているものが売れるんですよ。残念なことに。」
と、マーケティングのプロフェッショナルな方に言われたことがございます。
「でも、それって本来はオカシイんですよ。なので、EARTHRISEさんを応援していますよ!!」
と励まされました。(ありがとうございます^^)
EARTHRISEはジュエリーを専門にしているため、ジュエリー業界のことに関しては一般の方より詳しいです。
そして、悲しいことに、最近はジュエリー業界内でもグリーンウォッシュなのでは・・?と思うもの、過大広告も目にしています。思うことはたくさんあります。
【コンフリクトフリーダイヤモンド = エシカル】と謳っている会社も増えました。それでは、従来のままであって、根本の解決につながらない・・・と悲しく思うこともあります。
コンフリクトフリーダイヤモンドとは、
ダイヤモンドの原石が紛争の資金源になっていない。ただそれだけです。しかも抜け穴があるため、100%ではございません。鉱山労働者(児童労働を含む)、研磨職人、研磨されたダイヤモンドの流通経路、環境に配慮して採掘されているのかなどは、そもそも度外視されています。
ちなみに、EARTHRISEでは、創業時から一度もロシア産のダイヤモンドは扱っていません。
リサイクルの宝石(リサイクルという言葉は響きが悪いので、他の言い回しも使われています)・・・これにも裏があります。
国内の業者間での買いたたきも目の当たりにした経験があります。同じ日本人同士でも、こういう醜い世界があるかと、半ば怒りと悲しみで震えました。私は当事者ではありませんでした。しかし、その時何もできなかったことで、無力感に苛まれました。もちろん、全てのリサイクルの宝石がそういう訳ではございません。
ただ、もともと【エシカル】という言葉自体が曖昧であり、その会社が「自分達はエシカルだと考えています」と言えば、エシカルになるのです。
当たり前のことですが、考え方はそれぞれなのだと再認識させられました。そのことを批判するつもりはございません。100人いれば100通りの考え方があります。
では、EARTHRISEの考えるエシカルジュエリーとは何か?
なぜEARTHRISEのエシカルジュエリーを今買う価値があるのか?
起業に至った経緯や、創業時に作ったフィロソフィーなど、、根本にあるのは、【社会をより良い方向へ変えていきたい】という信念がEARTHRISEの軸であり、原動力であり、全てを突き動かしているものです。
EARTHRISEは、単に物を売り、私利私欲を得るためだけの会社でもなく、SDGsのマーケティングのためだけに会社を興した訳でもありません。そもそも創業した2011年当初、SDGsは存在しませんでした。
EARTHRISEは、ジュエリーを通して、世の中の負の部分、間違っている部分を変えていきたい。ただ、それだけです。
自身の幸せが、誰かの犠牲のもとに築き上げられたものだとしたら・・・。自然を犠牲にしているとしたら・・・。
そのような幸せは本来の幸せではありません。
自身が搾取される側になり、幸せに感じるか?
答えは、Noです。
本当にシンプルです。
そもそも、エシカルやサスティナブルといったことに興味・関心を持つ方は、他者を気遣うことができる、優しい心の持ち主です。
今の資本主義経済で世界が成り立っている以上、生きるためにはお金が必要です。でも、そのお金をどう使うかは、一人一人自由に選ぶ事ができます。
あなたが一つの商品を買うことで、未来を、世界を確実に変えています。
あなたは、あなたの大切なお金を使って、未来を、社会をどう変えたいですか・・・?
より良い未来のために、自分自身のために大切なお金を使うこと。これが何よりも大切なことです。
EARTHRISEは、エシカルジュエリーという、目に見える形の商品を提供しています。
ただ、あくまで【エシカルジュエリー】は一種のツールにしか過ぎず、あなたがEARTHRISEのエシカルジュエリーを買うことで、EARTHRISEはあなたのお金がより良い未来・社会を生み出す、そして循環するための、人体でいうところの心臓の役割を担っているだけです。
そして、あなたが大切に想っていることや、社会をより良いものに変えた証として、あなたの手元にキラリと輝く指輪であったり、あなたの内面を表現しやすいお顔周りのピアス・イヤリング、ネックレスなどのジュエリーとして、永遠に形として残ります。
プラスして、地球が途方もない歳月をかけて創造した奇跡の宝石や貴金属があなたの一部となるのです。
あなたの想いを反映させる、形にさせる、社会を変えるために購入する商品は、コップでも、たすきでも、バッジでも、Tシャツでもなんでも良いと思います。
でも、せっかくなら美しく、しかも不変的な輝きと、愛でて癒される効果まであるジュエリーなら、購入後もなお心が潤って嬉しいですね。
それが、婚約の証である婚約指輪や、結婚の証である結婚指輪でしたら、なおさらですね。
あなたの想いは、形になって初めて実現されます。
混沌とした時代だからこそ、あなたの意思表示のツールとして、エシカルジュエリーが必要になってくるのです。
EARTHRISEのジュエリーを通して、あなたと一緒に、より良い未来を築いていけたら、社会を変える事ができたら・・・こんなにも嬉しく、素晴らしいことはないです。
初心を忘れず、一つでも美しい輝きを誰かの幸せのために創造していけるよう、これからも精進してまいります。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
愛と感謝の気持ちをこめて。
代表取締役 兼 ジュエリーデザイナー 小幡星子