こんにちは。
EARTHRISE代表・デザイナーの小幡星子(おばた しょうこ)です。
前回までは、
イスラマバード→スワートへ向けて出発
のお話でした。
【前回までのお話】
https://earthrise-j.com/pakistan-entrepreneur/entrepreneurship-part5
今回はパート6。
【3.事務所(今回は、研磨工房の場所)を契約する】
です。
((๑´ڡ`๑)旅ログになっています。)
【会社設立までの流れ】
1.日本にあるパキスタン大使館でビジネスビザの申請
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2.ビザ取得後、渡パキスタン。スワート渓谷へ。
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3.事務所(今回は、研磨工房の場所)を契約する ◀︎ 今はココ
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4.設備を整える
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5.レターヘッド、印鑑作り
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6.銀行口座開設(お金は10ルピーでも1,000ルピーでも預けていればOK。1ルピー=約1円)
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7.登記関連書類作成
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8.裁判所に関連書類一式を提出する
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9.関係部署を周り、面談後、各部署の責任者全員の署名(8名〜10名くらい?)を書類にもらう
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10.裁判所が研磨工房の実態調査を行う
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11.裁判所から認可されたら、
スワートの商工会議所へMembership Certificateの申請
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12.ペシャワールの商工会議所へもMembership Certificateの申請
(スワートはカイバル・パクトゥンクワ州(略してKP州)に属する地域で、ペシャワールはKP州の州都。)
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免税申請(スワートはパキスタンでも特殊な免税エリア!)
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すべての公的機関から認可されたら、完了!
昨夜は高山病&車酔いのため、フラフラになりながらホテルへチェックイン。翌朝、カーテンの隙間から朝日が顔に当たり、チュンチュンと鳥たちのさえずりで目が覚めました。ベッドからゆっくり上半身を起こし、しばらく鳥たちの会話に耳を傾けていると、昨夜の高山病からくる頭痛も、苦しかった車酔いも、だいぶ治っていることに気づきました(スワートの中心都市ミンゴラの標高は900m〜1,000mほど)。
ベッドから降りて、カーテンを開けると、窓からは青々とした芝生が一面に広がっていました。
さんさんと降り注ぐ太陽が芝生に反射し、 あまりの眩しさに手で目を覆うほど。
「よくここまで来たね!!」
と言われているような、 背中を押されるような元気なパワーをいただきました。
うん、すごく元気!昨日の体調の悪さが嘘のよう!
※写真に写っているお兄さん(右)は、いじけている・・・・・・のではなく、芝生のお手入れをしているホテルのスタッフです。気温は既に30度超え。熱中症にならないか心配。。。
今回泊まったホテルは、PTDC Motel Saidu Sharifという、スワート中心都市ミンゴラから直ぐのサイドゥシャリフに位置するところ。現地パートナー(後の工房長)のザイーさんとホテルのオーナーさんが幼少期からのお友達であったため、 何かあった時も対処してもらえる…ということで、 こちらのホテルのお世話になりました。^^
PTDC Motelは国営ホテル(モーテル)で、スワートのPTDCは1泊4,500ルピーとリーズナブル&安全&衛生的&エアコン付き&バスタブはないけれど、ホットシャワー(お湯のシャワー ←ここ重要!)が出ます!!
(1パキスタンルピー=約1円)
パキスタンの主要都市にPTDCはありますが、ホテルによって当たり外れがあります。スワートのPTDCはGreat!
余談ですが、PTDCのお隣は高級なSerena Swat Hotel(セレナホテル)☆
こちらはバスタブ付きで、1泊だいたい10,000ルピーから(イスラマバードのセレナホテルは1泊だいたい20,000ルピーから)。パキスタンのお金持ち、海外の旅行客、ビジネスの方は殆どセレナホテルに泊まっています。スワート王族の邸宅をホテルにリノベーションしているため、歴史もあり、素敵なホテルです♪いつか一回は泊まりたいな・・・♡
そうこうしていると、ザイーさんがホテルまで迎えに来てくれました。車に近づくと、後部座席からザイーさんのお孫さんたちが
「待ってましたぁ ヽ( ^∀^)ノ ヽ(^∀^)ノ !!」
と言わんばかりに勢いよく飛び出して来てくれました。
きゃ〜〜〜♡ 幸せの瞬間♡ヽ(´∀`*)ノ
車に乗り込み、いざ、スワート中心都市のミンゴラのバザールへ出発♪
お孫さんたち、私をじーっと見つめては、目が合うと「きゃっ♡」と言って目を逸らす・・・の繰り返し。もう可愛すぎて、、お姉さんはあなたたちをお持ち帰りしたい気持ちで一杯です♡
ホテルからバザールまでは、混んでいなければ5分ほど。バザールに近づくにつれて、渋滞してくるので、10〜15分位かかることも。
現地の不動産を借りる際は、テナントを見つけたら、そこのオーナーさんを探して直接交渉。日本だと仲介業者が間に入ることが一般的ですが、スワートではオーナーさんとFace to Faceなお付き合いです。
今回の渡航前に研磨工房の場所は写真を何枚かもらい、仮押さえもしてもらっていたため、既にザイーさんが鍵を持っていました。
さあ、メインバザールに到着!
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このメインバザールを背にして、
一本細い道を奥まで入っていくと研磨工房になる予定のスペースがあります。
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(´・ω・`)うーん、とても失礼ですが、、なんだか薄暗くて、綺麗とは言い難い場所…。ザイーさんに、バザールのメイン通りのテナントはなかったか聞くと、家賃が一桁違いビックリ!ここは超穴場物件だったとのことでした。オーナーも古くからのお友達だそうです。というか、この小さなバザールの人たちは殆どザイーさんの知り合いでした。ま、第一歩はこのような感じかな♪(基本、前向きです♪)
バザール周辺のお店は10時頃から少しずつオープンしていきます(店主の気持ち次第でお店がオープンします)。私たちは9時台に到着したため、2店舗以外はしばらくシャッターが閉じたままでした。
この一番奥の突き当りが工房予定地。ザイーさんの息子さんが眠たそうなお目目をこすりながら、私の到着を待っていてくれました( ^∀^) まだ前のテナントさんの看板は付いていました。それにしても、本当に薄暗いけど、、、だ、、大丈夫かな。。。(´・ω・,`)
さあ、シャッターを開けよう!
ザイーさん
「あ”っっっっっっ(((;゚Д ゚)))!!!」
私
「どうしたの?ザイーさん?(ああ、びっくりした)」
ザイーさん
「ワタシ、・・・鍵忘れました。」
私
「は!?(゚∇゚ ;)エッ!?」
ザイーさん
「アッチャー。ゴーメンなさい、ショーコさん!!ワタシ、バカね!鍵取って来ます!ショーコさん、あなたここにステイね!ぜーったいどこにも行っちゃダメよ!ワカッタ?!ステイ!!OK!?ステイ!!」
私
「ワン!! ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃.」
ザイーさん、猛ダッシュで自宅に戻って行きました。そうだよね。順調に行くわけないよね!!(๑• ̀д•́ )✧+° ここはパキスタンだもん!
ポツーンと残されたザイーさんの息子さんとお孫ちゃんたちと、ザイーさんが戻ってくるのを待つことに。
工房前からバザールを見ると、このような感じ。
ザイーさんのコントが終わった時にはポツポツお店が開き始めていました。
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待つこと、1時間ほど。ザイーさん肩で息をしながら戻ってきました( ̄∀ ̄)。でもね、ザイーさんは本当に丁寧なお人。周囲のお店の人たちと朝のご挨拶をしながら来るので、この細道の突き当たりまでくるのに10分位かかっていました。
ここはパキスタン。おまけに田舎のスワート渓谷。義理人情にも熱〜いパシュトゥーン人たちのエリア。このペースだと、賃貸契約をするまでにどの位時間がかかるのかなぁ・・・(´-`).。oO。。なんて、遠い目になっていました。
しかもザイーさん、巨大な扇風機を担いで来てる。どうしたのか聞いたら、私の体調を気遣ってくれていて、この辺はエアコンがないから、自宅から扇風機を持ってきてくれたそう。((´;д;`)ブワッ
・・・感動。)
シャッターを開けると、真っ赤な絨毯とクッション!よ〜く見ると、ハート柄。
ザイーさん
「このカーペット、スゴクいいネ!ほら、触って!とってもソフトです!びゅーてぃふぉ〜ネ!ワタシ大好きデース。ど?ショーコさん?」
私
「う、、うん。可愛いね!(派手〜笑)」
スワートでは基本、床に直接腰掛ける伝統的なスタイル。椅子とテーブルで対応・・・というのはイスラマバードや大・中都市だけで、田舎はこのようなスタイルが多いです(もしかしたら、パシュトゥーン人たちだけかも)。
絨毯などの一式は、以前のテナントさんが残していったもので、内装は前テナントさんと交渉して買い取り、その後に物件のオーナーさんと賃貸契約を結ぶそうです。一から内装するとお金がかなりかかるそうなので、そのまま前テナントさんから買い取ることにしました。とは言っても、パキスタンに来る前にザイーさんに一任していたので、買取済み。私が直接交渉すると、日本人だからと高値で交渉してくるそうです。なので、細々した交渉はザイーさんへ一任。異国には異国のやり方があって、面白いなぁ〜と思いました。
さてと、後は物件のオーナーさん(ザイーさんのお友達)が来るのを待つだけ!
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が、、待てど暮らせど、オーナーさんが来る気配がない。
ちなみに、オーナーさんのお店はメインバザールに位置していて、お昼を回ってもシャッターが閉まったまま。
さすがにザイーさんも心配になってきて、オーナーさんにお電話するも、繋がらない・・・。
ザイーさん
「ドシタカナ?オヤジ(オーナーのこと)来ないネ。電話も出ないネ。(゚´Д`*゚)゚」
ザイーさん、オヤジって日本語知ってるんだね・笑
本来であれば、私が来る日を事前にオヤジに伝えるべきなのですが、万が一タリバンやタリバンをサポートしている人(タリバン・サポーター)が日本人が来ることを耳にして、待ち伏せていたら危ない・・・ということで、何となくこのくらいの時期に私がスワートに来る・・・とだけオヤジに伝えていたそうです。
つい数年前まではスワート渓谷はタリバンに完全支配されていました。パキスタン軍によるタリバン掃討作戦は成功を納め、タリバンがいなくなったとされていますが、頭の良いザイーさんは、念には念を入れて、安全な方法を考えていてくれました。
でも、当日、鍵は忘れてくるというお茶目なおじちゃまです。笑
この後は、珍しい人(私のこと)がいると噂を聞きつけて、ザイーさんのお友達大勢が押しかけてくることに。
で、遅めのランチに連れて行っていただき、何だか日が暮れてきたので、ザイーさん宅で歓迎会を開いていただき、1日が・・・・・終わっちゃったよ!ザイーさん!!!
大丈夫かなぁ・・・?本当に賃貸契約できるの???( ;∀;)
もうすごく心配!!
パート7へつづく。
■■■ 破天荒過ぎるパキスタン起業物語 一覧 ■■■
https://earthrise-j.com/category/pakistan-entrepreneur
愛と感謝の気持ちをこめて。
代表・ジュエリーデザイナー 小幡星子